初めて投資をするとき、どのくらいの資金を用意すればいいのか迷いませんか?
「いくら投資にまわしても大丈夫?」「生活防衛費ってなに?」と投資金額決めるのに戸惑ってしまう人多くないですか?
投資をする際、どれくらいを投資するかによってその後の生活に関わってきます。
投資割合が高すぎると何かあったときに生活に困る場合や、低すぎたりすると予定していたよりも資産をうまく増やせない場合があるので注意が必要です。
収入や家族の状況によっても違いますが、平均的にはどうなのでしょうか。
ここでは日本人の平均的な資産構成割合やお金の仕分けの方法など、投資割合を決める上で役立つ知識を紹介しますので、投資生活の参考にしてみてください。
日本と米国の資産配分比較
投資額を決める際に、「ところで他の人はどれくらい投資しているのかな?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
特に初めて投資をする場合、一般的な投資割合を見ることで投資の参考になります。
日本銀行が公表している「資金循環の日米欧比較」より日本と米国の資産配分を比較してみましょう。
日本は米国や欧米に比べると、資産を現金や預金で確保している比率が極めて高いです。
株式等や投資信託の比率が低く、日本人のリスク回避志向の強さが見てとれます。
一方、米国は現金・預金の比率が低く、かなり投資に積極的であることが分かります。
必ずしも、投資割合が高い方が適切というわけではありませんが、現在の日本は低金利時代が続いており、預金では資産はほとんど増やせません。
人生100年時代を迎え、老後かかる費用が増えていることを考えれば、投資・資産運用によって資産を増やすことを検討してみてはいかがでしょうか。
単身世帯の年代別資産構成
日本と米国の資産配分比較の次は、日本の世代別資産構成割合グラフです。
世帯別で少し構成が変わってきますが、単身世帯の資産構成を見てみましょう。
年代が高くなるにつれて現金・預金の保有が減少し、株式等が増えていっているのが分かります。
また年代が上がるにつれ、病気や老後の備えに保険・年金関係も増えていっています。
年代別で資産構成が違うように、世帯によっても変わってきます。
こどもがいる世帯では学資保険など教育などの積立資金が多くなってきます。
我が家でもこどもの教育資金にと保険の積み立てをおこなっていましたが、NISAやIdecoが始まり保険よりも積立率のいいものが増えてきたことにより、徐々に保険積立から投資運用へと切り替えています。
金融資産をどのように構成してどのくらいの資産を投資にまわすのかは、年齢や家族構成などによって変わるため、ご自身の置かれた状況に応じて投資割合を考えることが重要です。
お金の区別
投資割合の決定で重要なことは「お金の区別」です。
投資割合をいくらにするかについて、グラフにより少しイメージも沸いてきたのではないでしょうか。ただし、これらのデータはあくまで参考データであり、最終的には自分の状況を踏まえて決める必要があります。
単に割合だけを決めて漠然とお金を投資にまわすと、本来投資にまわしてはいけない資産まで充ててしまう可能性があるので注意が必要です。
投資にまわせる資産はどれくらいなのか、明確にした上で投資割合を決めることが重要であり、このときに「お金の区別」という考え方が役立ちます。
使う目的と時期でお金を3種類に分ける
「お金の区別」とは、使う目的と時期によって、お金を大きく3つに分けることをいいます。
目的と時期を明確にすることで、どれくらいの資金を投資にまわしても問題ないのかなど、投資計画を立てる上でとても役に立ちます。
具体的には、まずは、自分の貯金や収入などをあらためて確認し、自身の資産全体を把握・整理しましょう。その資産を、使う目的と時期によって次の3つに分類します。
- 生活に必要なお金
- 将来使う予定のあるお金
- 当面使う予定のないお金
それぞれ、どのようなお金なのか詳しく解説していきます。
生活に必要なお金
1つ目の「生活に必要なお金」は「何かあった場合のすぐ必要のお金」、よく生活防衛費といわれるものです。
例えば食費や家賃など毎月かかる生活費や、怪我や病気で治療を受けるときの治療費などが該当します。
毎月の生活費がどれくらいかかっているかで変わってきますが、目安としては生活費の3カ月分程度あれば安心です。
この生活防衛費は必要になったときにすぐに使えるように、預貯金など流動性の高い資産で準備しておくほうがいいです。
2つ目の「将来使う予定のあるお金」は「使いみち(資金使途)と使う時期が決まっているお金」です。
将来使う予定のあるお金
必要なときに準備できていないと困るお金です。たとえば、子どもの教育資金やマイホームの購入資金、リフォーム費用などが該当します。
投資にまわしてよいか考える際のポイントは、使う時期です。使う時期が1年以内など近い将来である場合は、「生活に必要なお金」同様、預貯金など流動性の高い資産にしておくとよいでしょう。一方で、使う時期が大分先である場合は、まだ充分な時間があることから投資にまわしてもよいでしょう。
なお、例えば、教育費用は子どもをどのように育てたいかでも変わってきます。また近年では奨学金制度や無償化など子育て支援も増えてきているのでどれくらい必要なのか調べてみるのも参考になります。
また持ち家にするのか、賃貸にするのかでも将来必要な金額は変わってきます。
どれくらいの費用が必要になるのかは、あらかじめ想定して計算しておきましょう。
当面使う予定のないお金
3つ目の「当面使う予定のないお金」は、「のこすお金」とそれ以外の「ふやすお金」に分類できます。
「のこすお金」は大切な家族のことを考えて残しておきたいお金です。自分の老後のための資金などが該当します。
「ふやすお金」は「当面使う予定のないお金」から「のこすお金」を除いた金額で、使いみちが決まっていないお金です。
「ふやすお金」はいわゆる余裕資金であるため、他のお金に比べて自由度が高く、投資にまわすことができます。時間に縛られることもないため、積極的な運用が可能なお金といえるでしょう。
以上の通り、お金は使う目的と時期で区別し、それぞれ投資にまわしても問題ないかを考え、自身に適した投資割合を導き出しましょう。
投資割合が決まったら、運用方法を考えよう
投資に回すお金の割合が決まったら、次はそのお金をどのように運用するかを検討する必要があります。
投資スタイルや資産の配分は、お金の使用目的や時期によって変わります。
例えば「3年後に必要となる資産の形成」と「10年後に必要となる資産の形成」について考えた場合、3年後に使う資産は実際に必要になる時期が比較的早くやってくるため、大きな損失が出る可能性があるハイリスクな投資方法は10年後と比較すると適していないと言えるでしょう。
一方で10年後に使う資産は、使うまでの期間に充分な余裕があります。リスクを取って積極的に運用を行うこともでき、結果として損失が出た場合でも、期間に余裕があるため運用計画の見直しなどで対応できる場合があります。
このように、資産の運用方法を考える際には、目的や時期に応じてリスクの大小を判断していかなくてはなりません。この判断にはある程度の知識や手間が必要となるため、特に投資初心者の方は難しく感じる場合もあるでしょう。
まとめ
最適な投資割合はその人の貯蓄や収入の状況、投資を行う目的で異なります。
お金を使う目的や時期によって3種類に区別し、投資にまわせる資産の割合がどれくらいあるのかを確認しましょう。
実際に投資を行うにあたっては、お金を使う目的・時期に応じて相応しいリスク水準の投資方法を選択するなど、きちんとした運用プランを立てましょう。